2012年8月15日水曜日

腫瘍マーカー

毎月受診時に採血。
CEAという数値をチェックしている。

CEAとは、腫瘍マーカーの一つで、消化器系がん・肺腺がんに特異的なんだそう。
値としては、5以上が異常値。
がんじゃなくても、たばこを吸っている人でも上がることがあるという。

私は、いつも1で、
「あ、異常ありませんね」のコメントで終了。
痛い思いをして、1時間待って、これだけ?とも思うけど、
客観的に安心できるデータである。

ただ、この値が上がっていないからと言って、がんがないわけでもない。
実際、私のがんが見つかった時のCEAの値は1だったし。

先生も、
「念のために毎回測らせて」
位の意味だそう。

2012年1月9日月曜日

告知から手術を受けるまでの期間

「肺がん」という告知があってから、手術するまでに18日間あった。
長いのか短いのか・・・。

病院によっては、緊急手術でない限り、
診断されてから手術するまでに数週間から数か月かかる場合もあるという。

私の場合、
がんは今のところ大きくないし、急激に大きくなっているわけでもないし、
症状も出ていないので、すぐに手術!というわけではなく、
「最短で18日後にできるけど、どうしますか?」
という感じだった。

私のかかっている病院の、呼吸器外科の手術日は週2回。
そのうち、肺がんの手術ができる日は週1日。
つまり、これを逃すと、また、さらに1週間後、ということになる。

時期的にもそのあたりは、仕事内容に余裕があったため、
最短の18日後に手術日を予約してもらった。

「がん」と言われて、手術するまでの期間、別に症状もないので、
普段通り仕事をしていたのだけど、
やっぱり、手術のこと、「がん」と言われたことが心の中に大きな割合を占めていて、
落ち着かず、眠りも浅かった。

手術するのはこわいけど、待っている日々も辛い。
ストレスで、この肺にある「がん」が、手術日までに急成長してしまうのではないか、
なんて思うこともあった。

仕事があって、よかった、と思う。
家にいたら、落ち込んでしまいそう。

手術まで、数週間、数か月待ちとなっている人は、
こんな思いを、その間持ち続けている。



2012年1月8日日曜日

‘がん’と‘癌’

「はいがん」 と入力すると、
「肺癌」
と変換された。

もちろん正しい。

でも、「癌」になってからの「癌」という文字は、今までと違う感覚を覚えます。
「癌」という漢字が、怖い。

だから、自分でこの言葉を使うときは「肺がん」と書きます。


医学事典等によれば、
「癌」は胃がんや乳がんなど、形のあるがん=固形腫瘍で使われ、
一方、「がん」は、白血病などの血液腫瘍で使われます。

したがって、肺がんは「肺癌」なのですが、
やはり、そう書くのは怖い。
自分ががんになる前は、普通に書くことができたのに・・・。

ま、最近、新聞や本・雑誌などの書物では、一般的に、
「癌」ではなく、「がん」とひらがなで表記されていることがほとんどなのですが。


こんなことを考えたのは、退院時の診断書や、生命保険の請求のための書類に書かれた、
「肺癌」という文字をみてからです。

私は、大学病院で手術をうけたので、「主治医」と「担当医」がいて、
手術の執刀や説明は「主治医」、
その他の経過観察や書類の作成などのことは、若い「担当医」が行います。

で、主治医が使うのは、「肺がん」「肺腫瘍」という言葉。
手術の説明のときも、その言葉を紙に書きながら話を聞いていたのですが、
その時は、特に気に留めず聞いていました。

そして、退院間際、担当医が書いてくれた退院時診断書。
そこには、
診断名:肺癌
と書かれていました。

確かにその通りだし、「肺癌」と診断されたことは理解・納得しているのですが、
やはり、その文字を見たときには、ドキッとして、涙が出そうになりました。

同じ意味なのに、同じ発音なのに、漢字とひらがな、こんなに受ける印象が違うんだ、
と感じた瞬間です。

お見舞いに来てくれた同僚(看護師)も、私の診断名を知っていたのですが、
「肺癌」と書かれた書類を見て、
「やっぱ、この字は、見るとリアルだし、キツイね…。」
と言っていました。

担当医はその先生なりの考えがあって使っている言葉だと思うので、
別に責めるつもりはないのですが、
私は、今後、患者さんやその家族が受けるであろう印象を考えると、
仕事上では「癌」というは使わない、そう決めました。


・・・と書きましたが、人によって「がん」でも嫌だったり、
「腫瘍」のほうが怖かったりする人がいるのかもしれませんね。

2011年12月25日日曜日

手術の価格

退院時の請求書をもらって、かなり驚いた。
手術代って、こんなにかかっているんだ、って。

腫瘍摘出の手術の翌日、出血のため再手術と輸血もしているので、
手術2回分と輸血4単位分ということになるのですが、
そこに書かれていた金額は・・・
手術料・輸血料:987,850円

それに加えて、麻酔代
300,010円

8日間の入院で、入院料等含めて、トータルとしては、1,733,840円でした。
この前買った私の車の、車体価格とほぼ同じじゃん!


もちろん、全額支払うわけではないのですが・・・。
というか、系列職員のため、全額免除。
一般の健康保険の人でも、高額医療の対象となるので、
実際の支払いは8万円程度なのですけどね。

病院はかなり稼いでいるんだなぁ・・・。
これが、私のお給料にもなっているんだなぁ、なんて思ったりもして・・・。


8日間の入院で、投薬料なんか3010円だし、食事負担(自費分)は3640円で、
意外に安くて、これも逆に、驚き。

アメリカでは、医療保険に入っていないと、
虫垂炎の手術でも数百万円の請求となると聞くので、
日本の保険制度の存在に感謝です。

術後1カ月半経過

手術してから、約1カ月半が過ぎました。
仕事を2週間で再開してしまったこともあって、なんだかあっという間。

術後しばらくは、患側(左)の上腕の痺れ感、創部とドレーン抜去部の痛みが強くて、
着替えをする、寝返りをする、振り返る…などなど日常生活も一苦労でした。

痛みどめのロキソニンを1日3錠飲んでいたけれど、
徐々に痛みは減ってきて、今では、飲まなくても大丈夫な日も多くなりました。
車の運転とか、荷物を持つとか、一通りの普通のことはできます。

胸部の違和感、これは、肋間神経痛といって、個人差はあるものの、3・4か月は続くのだそう。
常に、じわじわと違和感があって、時々、ピリッ!と痛みが走る、厄介なものです。

例えば、急に出るくしゃみやゲップ。油断していると、容赦なく痛みが走ります。
…辛い。

痛みがあるかと思えば、皮膚なんかは触覚が鈍くなってる部分と過敏な部分とが混在していて、
これも辛い症状の一つ。

手で触ると、その触った感じや温かさ・冷たさがわかりにくいくらい鈍いのですが、
着ているものが擦れるのにはとても敏感。
はじめのころは、ユニクロのブラトップでも辛かった。

先生は、
「冷えると、余計痛くなるから、なるべく冷やさないようにね」
と言っていたので、ヒートテックのシャツなんかを着て、冷やさないようにしています。


創部も、縫合部が赤黒く腫脹していたのだけれど、
それも徐々に腫れが引き、色も薄くなってきました。
まだ、自分的には気になるのだけど、ね。


そういえば、空咳も少なくなったし、肩で息をすることも減ったし、
心拍数もドキドキすることなく手術前と同じ位になってきたかなぁ?

借りている経皮的酸素飽和度(SpO2)のモニターも、時々使ってみるけど、
98~99%だし、呼吸機能的には、すっかり落ち着いたのかな?

2011年12月19日月曜日

術後辛かったこと その5 創部のにおい

術後1週間での退院となり、抜糸しないまま、初回の外来で傷を見ることとなった。
創部は自然治癒を促すため、消毒もなく、ガーゼも当てていない。

私が看護師になりたての頃は、毎日イソジンで消毒して、
ガーゼが少しでもはがれたら、消毒して張り替えていたのに、
十数年前から、手術後の創部に対する概念が全く変わっている。


創部は、5㎜置きにホチキスで留められている。
次の外来まで、家では、入浴は禁止だが、
シャワーで傷口をよーく洗って、清潔にせよ、とのこと。

創部がむき出しのまま家に帰り、シャワーで洗うなんて、医療者の私でさえ怖いのに、
一般の患者さんは、どうなのかな?
言われたとおり、普通に洗っているのかな?

シャワーが当たるのは痛いけど、意外に創部を洗うのはそれほど痛くない。
ただ、腫れているので、触ると違和感がある、不思議な感覚。


腋窩にある創部は、汗もこもりやすいので、少し赤みを帯びて腫れている。
傷が治っていく過程なので、痛痒い。
そして、何とも言えない、臭い・・・。
傷があるので、制汗スプレーを使えないのが辛い・・・。
夏場だったら、もっと大変だったかも。


ボディソープをよく泡立てて、そっと、創部を洗う。
腋の下は、ごしごしと洗いたいんだけど、痛いので、そっと。

抜糸(抜鈎)までは、淡い膿のような浸出液が創部からじわじわと出ていて、
でも、主治医は、「問題ない」、とのこと。
熱も出ないし、CRP/WBCも上がっていないので、いいということらしい。

浸出液は、シャツに染みついてしまうので、しばらく、汗ワキパッドを使って交換するようにした。

何とも言えない創部のにおいは、抜鈎後もしばらく続いていたが、
傷が回復するにつれて、徐々に臭いはしなくなった。

でも、もしかしたら、自分が気にならなくなっただけで、
周囲には嫌な臭い、してたかも、なんて気もする。


2011年12月18日日曜日

術後辛かったこと その4 から咳

深呼吸して、咳をして、痰をしっかり出してください、
と言われていた。

しかし、とてもじゃないけど、咳なんかできなかった。

うっかり咳をすると、体全体に痛みが走り、背中の筋肉がきゅっと固まるような感じがして、
それがすぐに治まらず、大変な思いをする。

でも、のどの奥にずっと絡まっている痰があって、
呼吸をするたびに違和感があって、それが動かないように浅い呼吸をしていると、
それはそれで苦しくなり、急に咳込んでしまう、の繰り返し。

しかも、横になって寝ている時に、咳込みが襲ってくると、
腹筋と背筋と創部に、直に力がかかり、創部が裂けて出血してしまうのではないか、
と思えるほどだった。

寝たままの咳は本当に辛い・・・。


それから、酸素を鼻から吸っていたのだが、3ℓ/分で流れているため、
鼻の粘膜も乾いて、だんだん痛くなってくる。
でも、酸素を外すと苦しいし、現に、SpO2の値も95%にすぐ落ちる・・・・。

加湿のためのネブライザーも、無いと乾燥しすぎるのだが、
もくもくした蒸気が、呼吸の中に入ってくると、これも、急な咳込みのもととなり、
調整が非常に難しかった。


「しっかり咳をして、たくさん痰を出してくだいねぇ」
なんて、この辛さを体験してないから言えるのだ・・・。


退院してからは、から咳が出て困った。

話そうとすると、痰が絡んでいるわけでもないのに、急に咳が出る。
数回咳込むと治まるのだが、
また、話そうとすると急き込んでしまう・・・、の繰り返し。

これも、その度に創部に痛みが響いて、本当に辛い時期だった。